彼が乗る大きなトラックが角を曲がって見えなくなっても、わたしはポツンと、その場に立ち尽くしていた。 だって知らなかったんだもん。 ずっとずっと会いたかった人に会えたのに、こんなにも淋しくなるなんてこと…。 大きな手に……触りたかったよ。 頭を撫でて欲しかったよ。 『変わんない』って笑ってもいいから お土産を持ってくるご近所さんのノリでもいいから また来てね、樹。 もっとちゃんとありがとうって言えばよかった…。