「姉貴の子供、7月になったらプール連れてってやるって約束しちゃっててさ…。断りゃいいんだけど、この夏 初だからやたらはしゃいでるらしくって」


彼の説明によると

樹のお姉さん夫妻は小さなレストランを経営していて、日曜日となると書き入れ時なので、幼い二人の子供達は樹の実家に預けられるんだって。


それが不憫で、毎年夏には樹が毎週のように近くの市民プールに連れて行くのが恒例となっているらしい。


あ…!


だから去年の夏、樹はあんなに日焼けしていたんだ。

焼けた肌から連想される出来事に、勝手に嫉妬したのを思い出す。




「早めに切り上げるから、その後で会うか?」


遠慮がちに彼が訊いた。