「お、この人上手いね」 横から妹が言った。 「そうかな?」 樹の方が上手かったよ。声がもう少し低くて、話すときと違ってちょっと甘い感じになる…。 樹の声が聞きたいな―― 心の底からそう思って、すくっと立ち上がった。 電話しよう。今すぐこの勢いで…! そのとき、握りしめた手の中で携帯が震えた。 !! た、た、樹からメールが来た! 思わず二階に駆け上がり、ベッドの上にバフッと乗っかる。 それからなぜかちょこんと正座をして、メールを開いた。