付け加えてもう1コ樹に文句を言う。
「それにさ、来るなら来るでメールくれないと…。塾とかあるし、わたしいないとき多いんだからね」
そーだよ、この時間、昨日なら確実にいなかった。塾だったもん。
「あー、でも家の人誰かいるだろ?」
なのに樹はケロッとそう答えた。
は? 会えなくてもよかったってこと?
「……」
「塾か。中三だもんな、受験生か」
学年を覚えていてくれただけでも奇跡的だと感謝すべき…?
「じゃあな。がんばれよ」
樹はホントにそのままあっさりと帰って行った。
笑顔だけを残して……
ずるいよ。



