「わかるよ、バレバレだし。ね? 真琴」
「うんうん」
なんてうなずいたけど、ホントは全然気づいてなかった。ビックリ!
そういやミャンマーは塩崎たちとは親しくて、痴話げんかみたいな言葉の応酬をよく繰り広げている。
「おいブス」とか「何よ短足」なんて言って背中をバンッて叩いたり、足をヒョイッて引っかけられたり。
そうと知ると、そういう表現しかできない我がミャンマーが愛おしくなる。
「そーゆーサホリンは桜川先輩だよね?」
今度はミャンマーがにやけ顔で反撃に出た。
桜川先輩というのは、男子テニス部の二年生で、テニス部一年女子の憧れの人。
王道的に爽やかなスポーツマンだ。



