それなのにわたしってば 誘われたことがうれしくて、舞い上がって あげく告白までしちゃったんだよ? だって今日は… 初めて二人っきりで出かける とびきり最高の一日だったんだもん。 でも、樹にとっては違ってた。 好きな人が、もう手の届かないところへ 行ってしまう日―― 映画館で、じっとベッドシーンを見つめていた樹を思い出す。 あのとき樹は何を思い出していたの? 誰を、思い浮かべていたの……?