発泡スチロールの四角い箱を「ん」って樹は差し出してくる。 「さくらんぼ」 「へ」 「みんなで食って」 「え……いいの?」 嬉しくなって見上げると、樹がプクッて吹き出した。 3ヶ月前と全く変わらない笑顔―― 「何?」と訊くと 「いや、真琴、全然変わんないんだなぁと思って」 なーんて、華麗に変身中のわたしに向かって笑った。し、失礼な… 「んじゃ、行くわ」 と樹はもう帰ろうとする気配。 えー…っ