朝が待てなくて


心なしか、行き交うお姉さんたちが皆 樹をチラ見していくように見えて


せめてお化粧くらいちゃんとしてくればよかったな、なんて思った。




驚かそうと、彼の視界に入らないようにそっと近づいていく。


しゃべったらオーバーアクションだし
笑って崩れっぱなしになる樹の横顔は


澄ましているととても綺麗に整っていて、素敵なんだ…。





「あの、待ち合わせの方は男性ですか? 女性ですか?」


あと数歩で樹に「わっ」てやろうとしたとき、二人組の女子に先を越された。



「わたしたち今からパーティに行くんですけど、もし男性だったら一緒にいかがかなって思って」


わ…逆ナン?