「ねーねーサホリン? 恋愛シミュレーションゲームと間違ってないよね? わたしのリアルな初恋を…」 ボソッとそう訊いたら、彼女は弾けるように笑いだし 「ゲームより面白い!」 と言った。コラッ 「そこ、俺の席」 そのとき突然、低い抑揚のない声が頭上から降ってきた。 「へ?」 見上げると… あ、えっと、大淀…だっけ? この前いた恐そうなヤツだ。 うわ、同じクラスで、しかも後ろの席だなんて萎える。