――キーンコーンカーンコーン




チャイムと同時に今登校したばかりであろう、谷口玲が教室へ入って来る。


谷口玲の周りには沢山の女子、取り巻き達がいる。




「玲~!おはよ!!」




そんな声と共に、教室にいた女子達も取り巻きの中に加わった。


あたしはと言うと、それを見ているだけなんだけど。


まぁ、谷口玲なんてあたしにとってはどうでもいいしね…


と思いながらも、気付けばジッと見ていたらしく。


谷口玲と、目が合ってしまった。


その瞬間、ニヤリと谷口玲の口元が弧を描く。


ヤバイ、そう思った時には反射的に目を逸らしていた。