* * * * *
ショウの手際は思っていた以上に良くて、あっという間に食事らしい食事が出来上がった。
白くてほかほかのご飯、豆腐とわかめの味噌汁、トマトがたくさんのったサラダ、そして唐揚げが少し。
「…ちゃんとご飯っぽい…。」
「ちゃんとご飯だよ。召し上がれ。」
「…いただきます。」
思えばこうして両手を合わせて『いただきます』なんて言うのはいつぶりなんだろう。
もうなんだか長いことやってこなかった気がする。
ご飯を一口、口の中に放り込んだ。
ふわりとした甘みが口の中いっぱいに広がる。
味噌汁を一口すする。
…何だろう、これは。すごく優しい味がした。
外食先では食べられない味。
濃くなくて、尖ってなくて、ただ身体にじんわりとしみ込むような優しい味。
「味はどう?」
「…おいしい。」
「それは良かった。」
またにっこりとショウが微笑む。
その笑顔に反応してではないけれど、確かにその時、夢は泣きそうだった。
涙を堪えて、喉の奥がやたらに熱く、苦しかった。
ショウの手際は思っていた以上に良くて、あっという間に食事らしい食事が出来上がった。
白くてほかほかのご飯、豆腐とわかめの味噌汁、トマトがたくさんのったサラダ、そして唐揚げが少し。
「…ちゃんとご飯っぽい…。」
「ちゃんとご飯だよ。召し上がれ。」
「…いただきます。」
思えばこうして両手を合わせて『いただきます』なんて言うのはいつぶりなんだろう。
もうなんだか長いことやってこなかった気がする。
ご飯を一口、口の中に放り込んだ。
ふわりとした甘みが口の中いっぱいに広がる。
味噌汁を一口すする。
…何だろう、これは。すごく優しい味がした。
外食先では食べられない味。
濃くなくて、尖ってなくて、ただ身体にじんわりとしみ込むような優しい味。
「味はどう?」
「…おいしい。」
「それは良かった。」
またにっこりとショウが微笑む。
その笑顔に反応してではないけれど、確かにその時、夢は泣きそうだった。
涙を堪えて、喉の奥がやたらに熱く、苦しかった。



