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「寒いーっ!だから冬ってキライっ!」

「ホント、美雪は冬ギライだよね…。」

「だって寒いじゃん!手とか信じられないくらい冷たくなって痛くなんない?」

「…まぁ、確かにね。」

「あたしは夏が好きなのっ!…ぶっ!」





目の前に…あたしよりはるかに大きな身体、というか背中。
その背に思いっきりぶつかった。





「ったぁ…!」


くるりとゆっくり振り返ったのは…


白い肌、多分あたしより全然綺麗。
黒の短い髪、…ちょっとツンツン?
目尻がきゅっと上がった、切れ長の鋭い瞳。
顔は…まぁ、一般的にはイケメンなんでしょう、うん。


そんな人。


「ぶつかっておいてその言い草、はっきり言って有り得ません。」


そんな暴言が頭上から降ってきた。