沈黙と暗闇があたしたちを包む。
掴まれた腕だけ、やけに熱い。


「ちょっと晴輝!痛いんですけど!」

「逃げねぇなら緩めるけど。」

「どこ行くのよ?」

「…どっか誰もいないとこ。」

「分かった。逃げないから緩めて。」

「…逃げんなよ。」

「逃げないってば。」


晴輝の手がゆっくりと離れるのを感じる。
完全に離れきったのを感じたところでぐっと足に力を入れた。
そのまま強く地面を蹴る。


「おいっ!」

「今は話したくないのっ!手離した晴輝が悪いっ!」


晴輝の方を振り返ることもなく、そのまま走り出す。
行き先なんか決めてない。
でも今、晴輝に顔合わせたら泣く、絶対。










「…俺から逃げられると思うなよ。」

「え…。」


追いかけてきた晴輝がぐっと腕を引く。
そしてそのまま、後ろからぎゅっと抱きしめられた。