「あーあたし…もう用事終わったし、帰るねっ!
陽パパにはるママ、ありがと!…っと晴輝、そこどいて。」


声、高くしてわざと冷たくしてやり過ごさなきゃ。
こんな気持ちで今、自分がどんな顔をしてるかなんて分かんないし、視線は絶対晴輝になんて合わせられない。


晴輝の横を通り過ぎようとした瞬間…










「待てよ、梨亜。」


腕をすっと掴まれる。
手加減されているのが分かるけど、それでも強い。


「離してっ!」

「…いいからちょっとこい。」


晴輝の力は思いの外強くて振りほどけない。


「晴輝ー無理強いしちゃダメだよー。」

「梨亜にはちょこっと無理強いするくらいで丁度いいわよー!」


陽パパの優しいアドバイスとはるママの余計なアドバイスが同時に振ってきて、本気で逃げ出したくなってきた。


「もー!はるママ余計なこと言わないで!ってかもう帰るってば!」

「待てって。ここで離したらお前、絶対俺の話聞かねぇだろ。
…行くぞ。」

「離してってばー!」


そのままずるずると引っ張られるままに、あたしと晴輝は外に出た。