* * *


「…梨亜の気持ち、言うしかないんじゃない?」

「ほらね。」

「もぉー!仲良し夫婦だからって夫婦で同じこと言わないでよバカー!」

「バカって何よバカって!」

「だから言っただろ、梨亜。
はるも俺と同じことしか言わないよって。」


勝ち誇ったようにそういう陽パパが今日ばかりはものすごく憎い!
あたしの中にその選択肢はないのに!


「結局ね、寂しいとか会いたいとかぎゅーってしてとかさ、言わなきゃ伝わんなかったりするの。どれだけ好きでも、どれだけ相手のこと見てても。
だから、このプチ喧嘩?みたいな状況をなんとかしたいと梨亜が本気で思うのなら、梨亜がアクション起こさないとね。」

「…それ以外の解決策は…?」

「知らんわ!そんなの自分で考えなさい!
てゆーかあんたのその妙なプライドっていうか高飛車加減をなんとかしなさい!」

「…無理だもん。パパとママがこういう風に育てちゃったんだから。」

「梨絵は悪くない!安藤が全面的に悪いわ!」

「…ただいま…。」

「あらー晴輝、いいタイミングに!」

「…これっていいタイミングかなぁ?」


陽気なはるママの声と、ちょっと戸惑った陽パパの声がいい具合に重なった。
その声の間にいるあたしは、目をただ見開くばかりだった。
もちろん晴輝も然り。


「り…あ…?なんで家に…?」


に…逃げたいっ…!今すぐ逃げたい。