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「え?奏人が帰ってくるの?なんで!?」

「奏ちゃん、幼稚園の教育実習、こっちでやるみたいなのよ。」

「そうなんだ…。」


だったらメールの一つや二つ、くれればいいのに…。
って無理か。だって私達はただの幼馴染。
恋人みたいな強制力は私達の間に存在しない。


「金曜日にはこっちに来るらしいわよ?
迎えに行ってあげてって奏ちゃんのお母さんに言われたから、菜々子、迎えに行ってね?」

「りょーかい。」


かなり田舎なこの辺は、駅から若干遠い。
車で迎えに行くのはもういつものことだ。
歩けば絶対1時間くらいかかるし。


「確かね、金曜日の夜9時23分着だったかしらね…。」

「メールしてちゃんと確認取っておくよ。」

「そうしてちょうだい。」


理由がなくちゃメールが出来ない臆病な自分にうんざりしながらも、私はケータイを開いた。
久しぶりのメールだ。


「これで…いいよね。うん。あんま絵文字使うのもちょっとキャラじゃないし。」


誰に向かって言い訳してんのよ、私。