* * * * *
思っていたよりも早く、放課後がやって来た。
「…ただいま。」
「おかえり、夢。」
「あ、うん。」
ショウが朝と変わらない笑顔を浮かべている。
でもそこに『無理』がちらつくのは変なフィルターがかかっているからなのか。
「着替えておいで。上に何か羽織れるものがあるといいな。」
「え?」
「少し寒いかもしれないから。」
「どこ…行くの?」
「着くまで内緒。着いたら全部、話すから。」
ショウの口ぶりはそれまでは何も話さないということを言外に含んでいた。
どうせ誰も祝福なんてしてくれない。
だったら…いっそ今日が誕生日だなんて忘れてしまえたほうがいいに決まってる。
夢は部屋に戻り制服を脱いで掛けた。
適当に私服に着替え、一応指示通りカーディガンも持つ。
「お金はどれくらい必要?」
「いいよ。全部俺が持つから。」
「え…?でもお金…。」
「ないって…嘘だから。ちゃんとあるよ。買い出しも夢と一緒に行った日以外は自分の財布から出してる。」
そう言ってショウは自分の財布をちらつかせた。
思っていたよりも早く、放課後がやって来た。
「…ただいま。」
「おかえり、夢。」
「あ、うん。」
ショウが朝と変わらない笑顔を浮かべている。
でもそこに『無理』がちらつくのは変なフィルターがかかっているからなのか。
「着替えておいで。上に何か羽織れるものがあるといいな。」
「え?」
「少し寒いかもしれないから。」
「どこ…行くの?」
「着くまで内緒。着いたら全部、話すから。」
ショウの口ぶりはそれまでは何も話さないということを言外に含んでいた。
どうせ誰も祝福なんてしてくれない。
だったら…いっそ今日が誕生日だなんて忘れてしまえたほうがいいに決まってる。
夢は部屋に戻り制服を脱いで掛けた。
適当に私服に着替え、一応指示通りカーディガンも持つ。
「お金はどれくらい必要?」
「いいよ。全部俺が持つから。」
「え…?でもお金…。」
「ないって…嘘だから。ちゃんとあるよ。買い出しも夢と一緒に行った日以外は自分の財布から出してる。」
そう言ってショウは自分の財布をちらつかせた。



