* * * * *
何の変哲もなく、13日は訪れる。
「夢。今日は寄り道せずに真っすぐ帰って来てくれないかな?」
「あたしがいつ寄り道したっていうのよ?」
「そうだけど。今日は出かけるから。」
「分かってる。じゃあ夜ね。」
「うん。行ってらっしゃい。」
「…行って…きます。」
この一般的には当たり前だけど、今まで夢の世界にはなかった『挨拶』にこそばゆさを感じなくなったのはごくごく最近のことだ。
最初のうちは恥ずかしくて仕方がなかった。
…今でもスラスラと言えるわけではないけれど。
今朝留守電を確認した。
もちろん登録件数は0。
「…期待なんてするから裏切られるのに…。」
分かっているのに。頭では。
もう何年も独りで過ごしてきたじゃない。
今更…今年はたまたまショウがいるからって…何を…。
「あたしが生まれてきたことなんて、誰も気にしないし誰もキョーミないの。」
半ば言い聞かせるような形で夢は呟いた。
何の変哲もなく、13日は訪れる。
「夢。今日は寄り道せずに真っすぐ帰って来てくれないかな?」
「あたしがいつ寄り道したっていうのよ?」
「そうだけど。今日は出かけるから。」
「分かってる。じゃあ夜ね。」
「うん。行ってらっしゃい。」
「…行って…きます。」
この一般的には当たり前だけど、今まで夢の世界にはなかった『挨拶』にこそばゆさを感じなくなったのはごくごく最近のことだ。
最初のうちは恥ずかしくて仕方がなかった。
…今でもスラスラと言えるわけではないけれど。
今朝留守電を確認した。
もちろん登録件数は0。
「…期待なんてするから裏切られるのに…。」
分かっているのに。頭では。
もう何年も独りで過ごしてきたじゃない。
今更…今年はたまたまショウがいるからって…何を…。
「あたしが生まれてきたことなんて、誰も気にしないし誰もキョーミないの。」
半ば言い聞かせるような形で夢は呟いた。



