本当はすっごく痛いけど。
多分家までは歩けないから。
せめて電車は頑張らなきゃ。
そう思っておぼつかない足を必死で動かす。
「おいおい、マジで大丈夫かよ。」
そんなあたしを見かねてか颯太はまた乗るか?と聞いてくれる。
「もう少しだし大丈夫だって。」
あとは階段をのぼるだけ。
でも土日の夕方は思ったよりも込んでいて、時々颯太を見失いそうになる。
今ここで颯太とはぐれたらあたし家に辿り着けない…。
そんなあたしは必死で颯太のあとを追いかける。
「はー。疲れた。」
「ご苦労さん。
あ、時間。」
そう言って颯太は慌てて携帯を出して時間を確かめる。
「あと3分だ…。」
絶対に間に合わない。
きっと3分後は電車の中だ。
「あたしのせいなんだしいいよ…。」
あたしが靴ずれなんてしなかったら、5分以上は縮まったはず。
「いや、今日の主役はお前なんだから。
悪い悪い、そう落ち込むな。」
あたしが落ち込めば颯太は慌ててそう付け足した。
…颯太が優しい。
「なんかさ、颯太も変だよ。」
颯太があたしを変と言うように。
あたしも颯太が変だと思う。
悪くはないんだけどね。
「俺のどこが。」
「優しい。」
あたしは即答。
今までだって優しくない訳じゃなかったけど、言葉に表すことはなかった。
多分家までは歩けないから。
せめて電車は頑張らなきゃ。
そう思っておぼつかない足を必死で動かす。
「おいおい、マジで大丈夫かよ。」
そんなあたしを見かねてか颯太はまた乗るか?と聞いてくれる。
「もう少しだし大丈夫だって。」
あとは階段をのぼるだけ。
でも土日の夕方は思ったよりも込んでいて、時々颯太を見失いそうになる。
今ここで颯太とはぐれたらあたし家に辿り着けない…。
そんなあたしは必死で颯太のあとを追いかける。
「はー。疲れた。」
「ご苦労さん。
あ、時間。」
そう言って颯太は慌てて携帯を出して時間を確かめる。
「あと3分だ…。」
絶対に間に合わない。
きっと3分後は電車の中だ。
「あたしのせいなんだしいいよ…。」
あたしが靴ずれなんてしなかったら、5分以上は縮まったはず。
「いや、今日の主役はお前なんだから。
悪い悪い、そう落ち込むな。」
あたしが落ち込めば颯太は慌ててそう付け足した。
…颯太が優しい。
「なんかさ、颯太も変だよ。」
颯太があたしを変と言うように。
あたしも颯太が変だと思う。
悪くはないんだけどね。
「俺のどこが。」
「優しい。」
あたしは即答。
今までだって優しくない訳じゃなかったけど、言葉に表すことはなかった。

