「こっちよーっ!!」



水川さんが子供たちを呼ぶ中、私は再び銃を構え直そうとしてる犯人に近付いた。



「子供は撃たせない――ッ!!」



近くにあった小さな椅子を投げ、銃を落とさせる。

ーーバンッ



「――った…;;」



行き違い様に発射された弾が、私の肩に食い込む。



「芽依実――っ!!」



「私は良いから捕まえてッ!!」



兄貴に怒鳴り、傷口を押さえる。

…完全に厄日だ。

ジャケットのポケットからハンカチを取り出し、肩を縛って止血をしようとする。



「不器用なヤツ」



でも、上手くいかなかった私の代わりに、難波が縛ってくれた。