真っ暗な道をただ走った。 バクッバクッと心臓がいつもより速いのがわかる。 それは、走ってるからだけじゃないってこともわかってた。 『美月が………自殺したんだ……』 さっきの健の言葉が、壊れたCDのように、何度も俺の頭の中でリピートされる。 …自殺……… 近くのマンションの屋上から飛び降りたらしい。 落ちたところが土だったらしく、まだ息はあるみたいだ。