「なぁ来斗。あの子のことなんだけど…」 「美月か?」 「あぁ」 美月、という名前を聞くだけで、トクントクン、と胸が騒いだ。 そりゃあやっぱ、いらついたよ? でも、あんな言い方はダメだったような気がする。 美月に傷つけられたからって、傷つけても良いなんてことはないんだから。 今度会ったら謝ろう。 「お前、なんか勘違いしてないか?」 「は?何をだよ?」 いきなり何言い出すんだよ。 よくわかんねぇやつ。