「あ、やべ、鍵ねぇ…」 「ダメじゃん」 朔哉はポケットからケータイを出し、誰かに電話し始めた。 「あ、ごめん、鍵開けて。うん…はい……わかってるよ、早く開け……あぁ、うん…ごめんなさい…」 ケータイから、何時だと思ってるの!?と言う声が聞こえる。 朔哉がケータイをパタンッと閉じると同時に、扉の鍵がカチャンとなった。 ゆっくりドアを開けて、顔を覗かせたのは、朔哉のお姉ちゃんの、郁美(イクミ)ちゃん。