「美月なんかあったのか?」 「なんで?」 「いや、別に…」 「なんもないよ?」 そっか…としか言えなくて、俺は俯いた。 「松崎くんこそ、なんかあったの?」 「え?」 「悲しそうな目してる。辛そう。大丈夫?」 悲しそうな目をしてるのは、美月お前だよ。 俺は辛くなんかねぇ。 辛くなんか…… 「わりぃ、ちょっと次サボる。」 「あ、俺も…」 「いや、大丈夫」 俺は健を振り切って、教室を出た。