突然、そんな声が聞こえて涙が止まる。 「寝てんのか?」 何で――…何でいるの? 学校は? サボり? 「美恋…」 優しくあたしの名を呼ぶその声は、絶対に聞き間違えることのない、愛しい人の声。 愛しい――…蒼の声。 涙が零れそうなのを、必死に堪える。 薄らと目を開けると、蒼がすぐ傍にいるのか影を作っていて視界が暗い。