真っ暗な夜の墓地。 頼りは蒼の手の中の懐中電灯だけで。 「何なの!?ここ!!」 それは恐怖を煽るものでしかなくて、そう叫んだあたしの声は少し震えている気がする。 「何って……墓じゃん」 「そんなことわかってる!!」 分かりきったことを呟く蒼。 分かりきったことを聞いたあたしもあたしだけど、答えが欲しかったわけじゃない。 ただ、怖いから。 話していないと、足が震えて歩けなくなりそうだから。 だから、そんなことを聞いたんだ。