――その夜。



「…――ツは、いいなぁ…」

「……ん?」



近くから、先輩の声が聞こえてきた。

石鹸の匂いがするということはおそらく風呂にでも入ったのだろう。



「先輩、なにして………あ、」

「…え!?ゆ、憂太っ!起きてたの!?
あ、いや、あの、その、これは……っ!」

「………」



俺の顔を見た途端、先輩は手を素早く後ろに隠し一歩後ろに下がった。

…そして俺は、見てしまいました。