それはほんの一瞬の、出来事。 俺は一秒も経たずに先輩から顔を離した。 「………」 「…はい、」 薬指に指輪をはめて上を見れば、石になったかのようにまばたきをせず固まっている先輩。 「………い、いいい今!今!何した!?」 「あ、喋った」 「何したかわからなかったのでとりあえずもう一回キスして!」 「思いっきり言ってますけど!」 近付いてくる顔を冷静に両手で抑え、無事俺は回避した。