そう恐る恐る差し出す先輩。 その紙は、結婚届ではなかった。…まぁ当たり前だけど。 「…え、これ?」 「…はい」 「……え、なんでこれ?つかなんで先輩が持ってんの?」 「……やっぱり、旦那として嫁の憂太がどこに行くか気になりまして……」 「誰が嫁だバカたれ」 俺の反応を伺うかのように先輩はまたチラチラとこっちを見始めた。 いや、そんなチラチラと見られてもね…。 …先輩がポケットから出した紙、それは受験校希望書だった。