「――で、話しを戻すけど先輩はなんで俺ン家にいんの?」

「あぁ、えっと…」



痛みが引いたのか、先輩は服を着始めた。


…出来れば今すぐにでも出て行ってもらいたい。

これ以上コイツの顔を見てると吐く気がする。まぁ、心の中では部屋が埋まるほど吐いてるけど。



「いやさ、昨日憂太のお母さんの里江さんに頼まれたんだよね!『紅蘭くん、憂太をよろしくね』って」

「……」

「…憂太?」

「………な、なにその…

恋愛小説みたいなパターンンンっ!

その『よろしくね』はどうせ『同居してね』っていう意味なんだろ?知ってるよ、恋愛小説でよくあるパターンだよソレ!」