「やっぱり歌穂の声はカワイイなぁ
どうしたらそんな声になれるんだろー」
「そんなコト言っても、
何も出ないよぉー
ミアだってイイ声してんじゃん
今度のオーディションは
絶対ミア、行けると思うよっ!」
二人でのオーディションの練習が終わり
1Fへ降りる階段を降りながら
歌穂と喋っていた
受付のIDカードを読ませる機械に
財布から出した
自分のIDカードを読み込ませ
財布に仕舞った時だった
「ちょっと、ミア!」
先にカードを読み込ませた歌穂が
玄関の方へ視線を向け
私を呼んだ
「なぁに? どしたの?」
私もそちらへ視線を向ければ
玄関の自動ドアの外に立ってる人物が
私たちの方をじっと見つめてた

