ジーーー……



「…………見んな、チビ」



鋭く光る切れ長の目の端にわたしの顔が覗きこんでいる。


誰も寄せ付けない…ううん、誰もが寄り付かないそんなオーラを放っている彼。



わたしのオオカミさんこと
大神 千尋(オオカミチヒロ)



今一番きになっている人です。

…きゃー!!言っちゃった言っちゃったーいっっっちゃったー!!
どさくさに紛れてわたしの!もつけちゃっよ、テヘ!


「はぁ…………忙しいやつ。」

「…ん??」


オオカミさんはわたしのことをちらりと見ると私に背を向ける形に寝転がった。



広い背中に思わず抱き付いてしまいたくなる衝動をおさえてわたしも横に寝転がる。



満面に広がる空が気持ちがいい


「ん~!はあ…気持ちいいねぇ。…あっ見てみて!あの雲肉まんみたいな形してるよ」


「……………」

ちらりと横目で反応を見るが、オオカミさんは動くようすもなく空を見ようともしない。


むう…


「オオカミさん!オオカミさんてばー!」

業を煮やしたわたしはオオカミさんの背中にちょっかいを始める。


コチョコチョ

「…ぅ………やめろ。」


さっきからこんな事の繰り返しで結構たつ。


……相手にはされてない。

という自覚はあるけど一緒にいれるこの空間が本当に心地よくてたまらないの。