「はいっ、乃愛です!」




『あ、乃愛?俺だけど…今大丈夫?』




低くて、優しい優人さんの声。




聞いてると安心する…。




『もしもし?乃愛?』




優人さんは黙ったままのあたしを心配するように話す。




「へ?あっ!ごめんなさい!ボーッとしてた…」




あたしがそう言うと、優人さんはクスクスと笑った。




『乃愛らしいな。ところでさ、デートなんだけど…明後日の土曜日はどう?俺、珍しくその日休みなんだよ』




明後日か…。
明後日なら、あたしも休みだ。




「うん、いいよ!あたし…優人さんに会いたいから…」




あたしは語尾を小さく呟いた。




言っちゃった…。




会いたいって。




でも…ホントのことなんだもん。