あたしは握られた手を握り返し、映画に集中した。 優人さん、意地悪した後はこんなに優しくなるんだね。 なんだかズルいよ…。 あたしばっかりドキドキしてる。 ねぇ優人さん… あたしにドキドキしてくれてる……? あたしを…女の子として見てくれてる……? 「――あ〜面白かったな!櫻〇くん、やっぱ演技上手いよな!」 映画が終わり、あたしと優人さんは映画館を出ていた。 「う、うんっ!さっすが櫻〇くんだよね♪」 あたしは咄嗟に言葉を返した。