しばらくして優人さんが住むマンションに着いた。 優人さんと手を繋ぎ、部屋まで行く。 相変わらず大きなマンションだなぁ…。 あたしはつくづくそう思った。 ――ガチャ 「どうぞ」 「お邪魔します…」 あたしは久しぶりに優人さんの部屋に足を踏み入れた。 フワッと鼻を掠める優人さんの香り。 心臓がドキドキ言ってうるさいよ…。 「乃愛、こっち」 優人さんはスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外すと、ソファに座り、あたしに向かって手招きした。 あたしは言われた通り、優人さんの元へと行く。