ブランデー、キュラソー、アンゴスチュラ・ビターをシェークする。
そして砂糖でスノー・スタイルにしたフルート型シャンパン・グラスに注ぎ、冷やしたシャンパンで満たす。
「お待たせ致しました“シカゴ”です」
あたしは出来上がったカクテルを歩さんに差し出した。
「綺麗……。宝石みたいね」
歩さんはグラスを持つと、カクテルを飲む。
「……美味しい…。すごいわ、乃愛ちゃん」
歩さんは優しく微笑んだ。
「このカクテルはブランデー・ベースでシャンパンを使ったオシャレなカクテルなんです。口当たりはやや甘めなんですが、しっかりとしたブランデーの味わいは残る…。女性ひとりで静かに飲むにふさわしいカクテルです」
歩さんは納得したようにグラスを綺麗なネイルの指でなぞった。
「ねぇ…このグラスの縁に付いているのは何?」
歩さんはグラスの縁を指差した。
「はい。これはスノー・スタイルと言ってカクテルのデコレーションの技法の1つです。ロマンチックになっていいかと…」
あたしはグラスを見つめて言った。
歩さん、カクテルに興味津々なんだなぁ…。

