ヴァスペリア民の子孫、10人は成長し、双子は10歳になっていた。

彼らは平均6歳で翼が生える。

最年少の双子も、もう自由自在に空を飛んでいた。

「ロイド、レイド!ったく何処へ行きやがった!」

13歳になったばかりのバリックが空を駆け巡っていた。

双子の姿が見当たらない。

「もうすぐオルディンが帰ってくるのに……!怒られるのは俺なんだぞ!」

バリックは里を離れ、南へ飛んだ。



「ロイド、早く捕まえてよ!」

「うっせぇな!もう捕まえられる!」

双子は小川で遊んでいた。
ロイドは裸足になって水に浸かり、メダカを捕ろうとしている。

レイドは気が弱く、怖がって水に入ろうとしなかった。

パシャッ!

「ほら!捕まえた!どうだレイド!」

「すごぉい!」

「まぁレイドには無理だろうな。」

その一言でレイドは動いた。

「オレだって捕れる!」

双子はかなりの負けず嫌いだった。

レイドには無理だとか、ロイドにはまだ無理だとか言う言葉につい反応し、対抗してしまう。

それで今までに幾つもの魔法を修得してきた。