ちゆまど―世界は全て君のために―



「それも分かりませんわ。賞金なんて、今まで戦争に何度も勝ってきたときに比べれば安いものでしょうし」


グラスをテーブルに置いて、シンシアさんは改まったようにシブリールさんを見た。


「そこでの条件ですわ。シブリール、私と協定を結びません?帝国の好きにはさせたくありませんの」


「貸したいのは山々だが、カテドラルを倒せる化け物相手では、今の俺では戦えない」


「すぐにとは言いませんわ。あなたを異世界へと送り、帰ってきた時にでも。それならば、あなたの力も戻っているでしょう?」


確かに、とシブリールさんが考え込む。


「いずれは俺も襲われる、か……。いいだろう。協定を結ぼう」


話が早くて助かりますわとシンシアさんが立ち上がった。