「はい……」 「だから、それでいいんだ。君が生きているという事実以外、何もいらないよ」 どこまでも追い求めていた言葉だった。 ユリウスから一滴の涙が落ちる。 「シブリールさんがいてくれて、良かった」 救われたのはユリウスだけではなく。 「俺もユリウスに出会えて幸せだよ」 シブリールもまた救われていた。