ちゆまど―世界は全て君のために―



怒鳴り声で目が覚めた。


子供部屋の扉を開ければ、診察室に繋がっている。


こっそりとのぞけば、鬼のおじいちゃんがいた。


「キャベさん、落ち着いてください」


「うるさいっ。わしはボケとらん!わしから金を巻き上げようたって、そうはいかねえぞ!」


杖を振り回すおじいちゃんを、お父さんがなだめるが、落ち着く気配はない。


「お金などいらないと言っているじゃないですか。私たちは村の方から貰うことなどしません」


「かっ、いつかはこじきみたく請求するんじゃろ!わしは騙されんぞ!こんな森に住むのは悪魔しかいねえ!」


振り回した杖がお父さんの肩に当たった。


お父さんっ、と私が叫ぶ前に別の声が通った。


お兄ちゃんだった。


「父さん、父さん、大丈夫?」


「ああ、大丈夫だよ」