でも……。
「まあまあかわいいんじゃね?」
よくよくみれば目も大きいし肌も白いし……いつ見ても変な顔してるからわかんねえけど、だけど悪くはないと思う。
ぼそっと呟いた言葉には意識はしてなかったけど、両サイドの二人が俺を見てわざとらしい驚きの表情を作っていた。
「……なんだよ」
そんなの驚くほど不細工じゃねえだろ。
「マジぼれ?マジで?今まで誰もが認めるかわいい女と付きあって来てうまくいかなかった理由ってそれなんじゃねえの?」
「意味わかんねえよ」
ぐいっと宮木の顔を押しのけて、運動場に視線を戻す。
まだ授業が始まってない運動場で、豊海は友達と話をしてるだけ。
「でもまあ、わからないではないかもなあ」
「……何が」
女友達とそれなりに楽しそうに笑っている豊海を見ていると、沢田が隣で呟く。
こうやってみていると、豊海もなんだかんだ普通の女なんだなと思う。中身なんかまだ全然知らないけど。
まともに会話もできてないから変な女という認識しかないけど、それでも上から様子を見ているだけだったら普通だ。
女友達と笑って話していたり、ふざけあったり。
こんな風に知り合うことがなければ、存在に気づくこともなかただろう。
「笑うとまあまあ、高城が言うようにかわいらしい感じはあるよな」
「……は?」
さっきの言葉がまだ続いていたのか、あまりに予想外の言葉に次は俺と宮木が驚きの表情で沢田を見つめた。



