致死量カカオ


抵抗することなく、宮木と沢田の間から運動場を見下ろすと、少し顔色の悪い豊海がさっき一緒にいた千恵子とかいう女と一緒に立っていた。

またぶっ倒れるんじゃないのかあいつ……。


「まあ、よく見たらほら、ぶさいくなことはないよな」

「眼を細めたらいい感じでかわいいかも」


……お前らすごいな。

そこまでお前らクズだったのかと思うと俺友達本当にやめたいよ。


まあ、俺も人の事は言えないけど。
可愛い方がいいし。


こうやって遠くから眺めていると特に思うけど、これといって目立つこともない普通の女だ。


中身は全く普通じゃないけど。


長くもない短くもない、黒でもない茶色でもない髪の毛が特に「普通」だ。身長は低めだけどかといってかわいらしいくらい低いかというとそうでもない。

スタイルもいたって普通だ。

正直今まで付き合った女の中じゃ目立たない。それなりに選んで付き合っていたわけだし。

その方が好きになれそうだし。

実際振られたとはいえ、好きになっていたとも思うわけだし。


かといって、豊海は見るのも辛いくらい不細工なわけでもない。と、思う。汚いけど。あと頭も体質も異質だけだけども……。


先にその体質を知っていたら付き合おうか?なんて言葉は一切出てこなかっただろう。


こう見えて俺はそこそこきれい好きだ。
あいつの部屋は絶対ゴミ溜めに違いない。