そう言ったら分かってくれるだろうか。こんな状況昭平と千恵子以外みんな信じてくれないし。
バカにするだけだし。
ああ、何か切なさで胃が気持ち悪くなってきた。吐きそう。吐くかも。お腹も痛いし。
――パン!
と両頬を叩かれた衝撃で目がバチッと見開いた。
「お前まだ寝てんのか?」
そして目の前にあるのは……高城の綺麗な顔。
真っ直ぐに私を見つめる瞳。
その瞳の中には私の平凡な顔が映っていた……。
胸きゅんシチュエーション。これぞ。好きな人に心配されるわ、今肌に触れているわ私を見ているわ付き合ってるわでなにこれもう冥土の土産なんじゃないかな。
「――っておま……!うわ!」
えろえろえろ、と半開きだった口からもう言葉にもしたくないものがぼたぼたとこぼれ落ちた。
ちなみに意識もかなりの限界値。あとダメージ1でHPゼロになると思うくらい。
「おま!ちょ、まて!あと鼻からもでてんぞ!」
まるで汚い物を見るかのような瞳をむけて、触りたくないかのように一瞬にして私から高城は離れていった。
まあ、汚いものなんですけどね!