致死量カカオ


首を傾げて見つめていると、私の様子に気付いたのか千恵子が寄ってくる。


「一年と三年の間でも噂になってるみたいよ」

「何が?」


千恵子がちょっと困った表情を作って私の問いに言葉を選ぶように「えーと」と話し始めた。


「とりあえず、告白したことと高城君がそれを受けたこと、かな」

「マジで!?」


なにそれ知らない人にまで!?

学校一のイケメンに告白して付き合うことになるとこんな人気者になれるわけ?

付き合ってるのかわからないけど。このまま逃げるとか言い出したらリンチされるかも知れないけど。


学校一のイケメンなのかどうかもよくわからないけど。


確かに格好いいけど。

友達には囲まれて笑って居るけど、女の子相手に笑いかけるような所は一年間見たこともない。

そんな彼が「クールでかっこいい」なんて言われているのは知っている。

だけど付き合うだけで顔を見に他の学年の女の子達がクラスに集まるなんてなんか漫画みたいだ。


「おー!豊海すげえぞ!

いつも可愛い女の子としか付き合ってない高城が、急にお前みたいな凡人と付き合うことになったからってすげえ話題!」


ドア付近に溜まる女の子と話をしたのか、昭平が急に私達の方に振り返って大声で叫んだ。


「…………」


ああ、そういうからくりですか。