信じてみようかな。
高城のことも、自分の命も。
こんなに好きなんだから。きっとこんな思い抱えたまんま死ねるはずないよね。
だってまだまだやりたいことも残ってるし、ほらアレとかそれとかこれとか。大人的な愛を語り合いたいし。ご両親にちゃんと挨拶だってしたいし、なんかどうでもいいからキャッキャウフフ的なこととか。
恋愛経験ないから相変わらず想像力が貧相だけどさ!
なおさら、死んでる場合じゃない。
「そろそろそれ、取れば?」
くいっと顎で私のお面を取るように促される。
取って大丈夫かな。急に今高城を視界全部で見てしまったら本当にどうなるのか自分で自分が分からない。
……だけど。
「……へ!?」
ぐいんっと、首から前に引っ張られて……目の前には高城の……顔。
そして触れる唇と唇。
さ、三回目!!!!!????
ふっと首にかけられた力がなくなって、ぺたりと両腕を床に。
……なんだこれなんだこれ。三回目だけどなにこれ。
「馬鹿なことした、仕返し」
べえっと舌を出してにやりと微笑む高城の顔が、視界いっぱいに広がる。
なにこれなにこれ。
この強引な感じとかちょっとなにこれ。オレ様的な感じですか今流行のオレ様肉様!?
このままもしかしてこんな場所であれこれされたりしちゃったり……!!!!
ばっくんばっくん心臓の音と共に、騒がしい私の脳内。そして揺れる、空。
私やっぱり死ぬね、これ。
一生終わらないかも知れない。
どんなことしても、どんなに対策練ったって、きっと私は高城のことが一生好きだからさ。
そして、高城も……私のことが大好きだから、ね。
End