「お前はほんっとうに変なところで弱いよなあ。なんなのそれ」


困ったように笑う高城は、どことなく嬉しそう。何が嬉しいんだろう。やっぱりこの人変かも知れない。変でも大丈夫、私は大好きだからね。安心して変な人になって良いからね。

その前に死ぬかも知れないけど。




「誰より俺が好きなのがお前なら、誰よりも俺のことを好きなお前がいなくなってからなんだっていうわけ?

他の女に好かれたって、俺がお前よりも劣る女で満足するわけないだろ?」




ぴたり、と涙が止まる。


「ソレでも嫌なら死ぬな。とりあえず付き合って2週間、まだ生きてるんだから大丈夫じゃね?」


本当に……この人絶対変だと思う。
なんでこんなに私が……嬉しい言葉ばかりを言うんだろう。

何でこんなに私を殺すような言葉ばかり吐き出してくるんだろう。


「好きです」

「……嫌って言うほど知ってるけど、どーも」


どんなに足掻いてもどんなに逃げてもきっと高城からは逃げられないんだろうな……。

ピンポイントで私を引き戻す。
こんな人だと思わなかった。なのに昨日よりも好きになってる。

信じられない。まだいっぱい信じられない。何も出来ないし、すぐ迷惑かけるし、そんなにかわいくもない私に、なんで高城は傍にいてくれるのか。


信じられないけど、だからって捨て去れるはずもない。

一度抱いてしまった希望を捨て去ることも出来なくて、出来るだけ傍にいて欲しいと願ってしまうんだ。


だから必死にどうにかしがみつこうと思ってるのに。生きて居る間に愛想尽かされないように。そうでなくても、もし私が死んだら、私はいなくなっちゃうから。そばにいることもできないから。

なのに高城はいつも……。


だから?っていう顔をするんだ。