なにそれ。そんなの知らないよ。
……頭が良くないことは知っているけど……。あの時に教えてくれるって言ったけど……だけど。
本当に心配してくれていた何て思ってなかった。今まで忘れていたくらいだし。
それだけのことだと言えばそれだけのことなのかも知れない。頭が良くないことを知っているから思い出して言ってくれただけかもしれない。
だけど。それでも。
澱んでいた気持ちがほんの少しだけ晴れて、そして胸を締め付ける。
高城の記憶に私はいるんだとそう言われた気持ちになる。
私はなくそうとしているのに。だけど高城は忘れてないんだよね?
そう簡単になくならないことくらい分かっているけど……。
「あと、お前ちゃんとご飯食ってるのか?テスト受けることすら出来なくなると留年するぞー?」
わかってますよ……。
「はいはいさよーなら」と気のない返事をして教室を後にした。
わかってるよ。だけど全部出ちゃうんだから。
どうにかしないといけない事もわかっているけど……答えなんか何も出てこない。
すっからかんの脳みそで考えるにはちょっと難しすぎるかも知れない。
「……あー吐きそう」
さっき高城のことをまた思い出して仕舞っただけでなく、喜びで胸が締め付けられて吐きそうだ。



