致死量カカオ




「ごめん」



何も言わない彼女に最後にもう一度だけ告げて、そのまま背を向けて来た道を戻った。


戻ったところで、豊海がまだいるかどうかなんか分からない。もう帰っている可能性だって充分にある。


だけど、何かしないわけにはいかない。

あのまま意味の分からないまま終わるなんて気持ち悪くて仕方ない。


気になって仕方ない。

このまま気になって誰とも付き合えなくなったらどうしてくれるんだよ。



「――高城?」


走りながら一直線に学校に戻る俺の背後から、聞き覚えのある声が聞こえて少しだけ速度を落とした。


通り過ぎたのに気付かなかったのか、後ろで昭平と彼女の千恵子の姿に足が止まった。

廻り殆ど同じ高校の制服だから気がつかないのも仕方ないかも知れないけど。


「どーしたのそんなに逆走して」

「……お前、豊海の連絡先知ってるよな」


昭平の質問を無視して歩み寄りながらそう言う。


連絡が取れたら今どこにいるのか分かる。いるかいないか分からない学校に戻るよりもよっぽど効率がいい。


「知ってるけど……」

「教えて?もしくは連絡してくれねえ?」