何となく口寂しい、みたいな感じ何じゃないだろうか。珍しいものが身近にできて、ほんの数日一緒にいて、楽しかったから、だからそう思うだけ何じゃないか。
「あーもうわっかんねえ」
そう呟くと同時にホームルームを告げるチャイムが鳴り響いて裕子は「じゃあねー」と明るく言って背を向ける。
「あ、高城?」
思い出したかのように声を上げて振り返った裕子の顔を見上げると、裕子がにやりと笑う。
「一ついうと、元カノが多い彼氏って、結構複雑だよ?特に豊海ちゃんみたいな夢見る乙女には。しかも加えてあの体質」
ふふっと嬉しそうな笑いを見せてもう一度裕子は背を向ける。
……何が言いたいんだあいつは。
「あいつなんなの?今日上機嫌じゃねえ?」
「あー……付き合って今日で記念日だって言ってたよ?」
あいつかそんなことで上機嫌になるのが気持ち悪い!
自慢したくて教室に来たんじゃねえのあいつ……。
そこまで素直な思いで恋愛できるってどんな感じなんだろうな……。
俺は昔も、そして今も、そんな風にはなれないのに。



