致死量カカオ


「で?今日の女の子はいいわけ?」

「いいか悪いかも別になにもねえし。あ、今日一緒に帰ることにはなったけど」

「はあ?なにそれ付き合ったんじゃねえかよ結局—!」


宮木が大声を出して同時に目の前の席に腰を下ろした。

「どういうこと?それ」といいながら沢田は俺の隣の椅子を近づけて腰を下ろす。

二人して話を聞きたいのが丸見えだ。


「断ったんだけどとりあえず知って欲しいからって言われたんだよ」


パキッと口元のチョコレートを折ってからそう告げると、驚いたような珍しい物をみるかのような顔をしながら二人は「へえ」と呟くだけ。


「でもなんでまた?いつもならそんなことないのに」

「……なんでだろうなあ」


沢田の言葉に改めて考えて見たけれど、やっぱりわからないのはわからない。


「強いて言うなら……知りたかったから、かな。相手がっつうか、相手が何で俺のことを好きなのかとか。

あと、豊海と違うのか」


バカの癖に、だけど必死な豊海。
あの女も必死だったかもしれない。だろすれば何が違うんだろうかと思う。

俺が今豊海に思う気持ちと、今までの女、彼女に対して想っていた気持ち。

豊海が死ぬほど好きだと言う気持ちとあの女の違い。

状況が違うからそう思うだけなのか。
相手が違うからそう思うだけなのか。


そこがわからない。